DOウティエル・レケーナ


 原産地呼称 DOウティエル・レケーナがあるのは、スペインのバレンシア県内陸部のメセタと呼ばれる台地で、海岸から70kmほど内陸にあります。地中海性気候ながら、大陸性気候の影響も受ける気候で、標高は平均海抜750mほど。

 生産エリアは、カウデテ・デ・ラス・フエンテス、カンポロブレス、フエンテロブレス、レケーナ、シエテ・アグアス、シナルカス、ウティエル、ベンタ・デル・モロ、ビリャルゴルド・デル・カブリエルの9市町村で構成されています。

 

 登録ワイナリーの数は110軒、うち半数が瓶詰めまで行う生産者で、大規模、中規模、小規模、そして、協同組合から個人のワイナリーまで、様々な規模やタイプの生産者がいます。

 

ぶどうの栽培面積:34,700ヘクタール

ぶどう栽培農家数:5,500軒  

 

 平均日照時間は、年間で2,700時間程度。ぶどうの成熟期にほぼ雨が降らないため、十分な日照を得られ、また、悪天による病害リスクが非常に少ないため、農薬を使用せず、環境に配慮したぶどう栽培が可能となっています。

 

 34,000ヘクタールを構成する9つの市町村は以下の通り

 

 1 カウデテ・デ・ラス・フエンテス

 2 カンポロブレス

 3 フエンテロブレス

 4 レケーナ

 5 シエテ・アグアス

 6 シナルカス

 7 ウティエル

 8 ベンタ・デル・モロ

 9 ビリャルゴルド・デル・カブリエル

2600年の歴史


 DOウティエル・レケーナのワインづくりの歴史は、2600年に及びます。この地域の石器時代の遺跡から、ワインを醸造していたことをしめす証拠が見つかっており、イベリア人の時代から現在に至るまで、途絶えることなく続いてきたことが分かっています。

 

 レケーナにある「ラス・ピリーリャス」などでは、石をくりぬいて作ったラガールや、アンフォラ、史料のほか、ぶどうの種なども見つかっており、ウティエル・レケーナのワイン文化は、イベリア半島のワインづくりの起源まで遡ります。

 

 地品種としてのボバルの歴史の古さ、継続性、そして、その独自性の価値の高さは、ボバルの地としての文化的景観の礎となっているとして、現在、ユネスコ世界遺産の登録申請中です。