ボデガ・ベラ・デ・エステナスで、3月よりアルテマグナムコレクションの展示会を開催します。
これらの作品は2007年のクリスマスに、バレンシアのコロン市場で展示されたもので、画家、彫刻家デザイナーなど様々な芸術分野の専門家17名が、分野を超えて、ベラ・デ・エステナス・マグナムのボトルという限られた条件で現在アートを表現した合計130本のコレクションです。
今回はその作品の中から集められた50本以上を、ベラ・デ・エステナスのワイナリーの中でワイン造りの雰囲気に浸りながらご鑑賞いただけます。
フランシスコ・マルティネス・ベルメルは、1945年にウティエル・レケーナに居を定めると、バレンシアのグラオ村で一家が営んでいたワイン出荷業をこの地にも持ち込みました。家業から独立すると、フランシスコ・マルティネス・ベルメルは、スペインで最も権威のあるワインメーカーの一人となりました。そして、スペイン醸造家協会の会長に2期(8年)務めた後、名誉会長に、また、OIV(国際ブドウ・ワイン機構)の副代表も務めました。
1981年、フランシスコのワイン事業は全て、1919年にウティエル近郊に建てられたモデルニスモ建築のカサ・デ・ドン・アンヘルに移されました。そして、そのパイオニア精神を取り戻し、この地域のぶどう栽培に必要な大変革を始め、少しずつバルクワインの輸出を減らし、ぶどう品種の見直しとボバルの回復に焦点を当て、醸造方法を刷新し、質の高いボトリングワインづくりを目指しました。こうして、ベラ・デ・エステナスは、シャルドネ、メルロー、カベルネ・ソービニヨンをバレンシアで最初に栽培、醸造したワイナリーとなりました。
そして、これはその息子たち、中でもフェリックス・マルティネス・ロダが継承し、革新のコンセプトに忠実に、しかし、ぶどうを栽培しているテロワールの表現を損なうことのないよう、毎年その名を刻んだワインを醸造し続けています。まさに、伝統と革新を融合させようとする独自の個性を追求することは、ベラ・デ・エステナスのワインのレガシーであり、精神と言えます。
ボバル品種が低評価だった当時、ボバルでは高品質な赤ワインはつくれないという考えが主流でした。独自の個性を持ち、本物で、他とは異なる、高品質なワインを絶えず追求していたベラ・デ・エステナスは、地の品種であるボバルの個性を見つけ出す先見の明を持っていました。1998年に初めてカサ・ドン・アンヘル・ボバルがつくられてから22年が経ち、今日ではウティエル・レケーナにあるほぼすべてのワイナリーがこのトレンドを始めたことを誇りに思っています。