DOウティエル・レケーナ・ワインフォーラム開催


“ワインを特徴づける本物の要素”と“産地へのコミットメント”

 11月17日、レケーナのサン・ニコラス教会にて、DOウティエル・レケーナフォーラム2022が開催されました。フォーラムには、ワイン業界関係者が200人以上参加しました。プログラムには、MWのフェルナンド・モラとソムリエのマヌエラ・ロメラロの講演が含まれており、モラは『スペインにおけるワイン革命の要素』、ロメラロは『約束という種をまき、認知という実を収穫する』というテーマでレクチャーしました。

鍵は、ワインを特徴づける本物の要素

 レケーナ市長のマリオ・サンチェスとDOウティエル・レケーナ会長のホセ・ミゲル・メディナの開会挨拶のあと、MWフェルナンド・モラが登場。モラはもともとエンジニアでしたが、純粋な情熱からワインの世界へ飛び込んだ人です。まずスペインのワインの未来を特徴づける、さまざまな要素について語り、次いで、自分のプロジェクト、ボデガス・フロントニオ(アルパルティル/アラゴン州)の設立について語りました。「素晴らしいガルナチャワインづくりを目指して2008年にワイナリーを設立し、現在もそれを継続中です」と説明。ある出来事に基づいたストーリーテリングを作り出す必要はなく、「純粋にその要素となる部分を伝え、複雑に考えずに自分のワインが美味しいと伝えることが大切だ」と語りました。つまり、「大切なのは、原産地そのもので、他にはない何を持っているかを語ることなのです。私たちがそこに注目し、人々に伝える責任があるのです」と。

 

 

 モラは自分がワイン生産に携わる地域とウティエル・レケーナには産業構造的に類似点があると考えています。それは、どちらも広大な産地、多くのぶどう栽培農家、幾多の協同組合を持つ伝統的な産地だからです。将来的に樹齢の高いぶどう樹からつくられる特別なワインが市場でより高く評価されることを考えると、高樹齢のぶどう樹が抜かれてしまわないよう願うばかりです。なぜなら、それはスペインが持つ非常に素晴らしい遺産であり、他の産地との違いを表現する源だからです。スペインは海に囲まれていますが、山国でもあり、そこに魔法が宿っているのです。「このままでは、10年後には需要を満たすに十分なぶどうの古木はなくなってしまうでしょう」と締めくくりました。

進化と産地へのコミットメント

 ソムリエのマヌエラ・ロメラロがウティエル・レケーナのワインと出会ったのは25年前。それから、醸造技術は目覚ましい進化を遂げました。彼女は、「大地、土壌、そして、ワインそのものへの探究」を高く評価しました。

 

 

 ロメラロは、「ウティエル・レケーナには大地、ぶどう品種、醸造技術などなど、完璧な材料は揃っているので、そんな地域を価値あるものにするには、この産地へのコミットメントが必要です。つまり、私たちは皆、互いに支え合う必要があるということです」と。彼女は、「ここには相互に作用し、互いに助け合うべき核が4つあります。一つは、統制委員会、そして、ぶどう栽培農家やワイナリー、協同組合、それから飲食業界、最後にこの街の市民です。この4つの核は、ワイン文化を広め、この地域がワイン産地として評価される上で重要になります。なぜなら、地元よりも外部からの評価の方が高いことがあるからです」と説明しました。

 ホセ・ミゲル・メディナ氏は、「このフォーラムでは、産地への敬意、アイデンティティ、そして、誠実さについて話してきました。ワインづくりの背後にある情熱、熱意について語ってくださった二人の素晴らしい講演を聞けて本当に嬉しく思います」とコメント。フォーラムの最後には、生演奏の中、DOウティエル・レケーナのボバルのテイスティングも行われました。

MWフェルナンド・モラ

1982年サラゴザ生まれ。システムエンジニア、M B A取得済み。ワインへの情熱からワインづくりをスタート。2010年、ボデガス・フロントニオ設立。現在、アラゴンで最も唯一無二のワインプロジェクトとして、認知されている。

2017年1回目の挑戦でマスター・オブ・ワインになる(1回目の挑戦でマスター・オブ・ワインになれるのは2%以下)。また彼の論文は、不耐性に関する研究での功績で著名なポルトガルのワインメーカーの名を冠する「キンタ・ド・ノヴァル賞」を受賞。

 

 

 

ソムリエ マヌエラ・ロメラロ

世界的に認められたソムリエ。産業心理学の学位を取得しており、ホテル業界に従事し、CdT、ホテル連盟、商業会議所、大学、専門教育センターなどでホール、ソムリエスタックの育成を行う。

また、国内および国際的な学会や円卓会議に参加し、さまざまなホテルやソムリエコンテストで審査員を務めている。 バレンシアのレストラン、ラ・スルルサルにて14年ほどソムリエとして勤務。直近11年間は同じくバレンシアにあるキケ・ダコスタのレストランのシェフ・ソムリエ兼経営責任者を任されている。

・2006年 ハバノソムリエ世界選手権優勝(キューバ)

・2008年 マドリードの年間最優秀ソムリエとして、ナショナル・ガストロノミー・アワード受賞(王立スペイン料理アカデミー/スペイン)

・2011年2月 2010年ベストソムリエに贈られる、国際ガストロノミー賞受賞(パリ/フランス)

 DOウティエル・レケーナは独自のプロモーションも活発に行っています。DO ウティエル・レケーナのワインに関する最新情報は、FacebookInstagramTwitterをフォロー願います。