バロラ・ボバル=「ボバルを知ろう!」は、DOウティエル・レケーナで先祖代々栽培してきたぶどう畑の価値を調査研究するプロジェクトです。
はじまりは?
バロラ・ボバルプロジェクトは、DOウティエル・レケーナ原産地統制員会と科学研究高等評議会(CSIC)の契約のもと、2018年に始まったプロジェクトです。
動機は?
DOウティエル・レケーナのブドウ栽培&ワイン醸造にとって、ボバルが重要なぶどう品種だったため。 以下の3点のため、クローン選抜を通して、自生の品種ボバルを評価する必要がありました。
a) 気候変動の状況のもと、持続可能性を高めるため
b) グローバル化したワイン市場での競争力を高めるため
c) 既存の豊かな生物多様性を維持するため、代々継承してきたぶどう畑について理解を深め、これを維持していくため
最初に手掛けたことは?
最も樹齢の高いボバルの区画が、DOウティエル・レケーナの地図に書き加えられました。視覚的評価の後、各区画の中で他の樹とは異なる特性(特異なバイオタイプの可能性)を持つ樹を選別し、それらに対して生物季節学的、衛生的、農学的そして、ぶどう果実の成熟性の面からの選別を行えるようにしました。
期間は?
このプロジェクトの期間は、11年間の予定です。
研究するクローンの予備選抜で考慮される基準とは?
バイオタイプ、あるいは、クローンは、蕾の結実度、果房の平均重量や形状、漿果の重量、成分分析など、さまざまな基準に基づいて選抜されます。
また非常に乾燥度の高い状況でも良い生産性を維持し、かつ、気候変動に対してより耐性のあるぶどう樹が選抜されています。
これまでに分かったことは?
最初の2年の調査の中で、この地域のボバルという品種の植物としてのフェノタイプ(品種の植物学的多様性)の一定評価を出しました。
同時に、農業気候や土壌についても、DO内の様々なエリアで調査を始めました。
また、最終的に選抜されたバイオタイプのぶどう樹の試験区画への植え付けも行いました。
ウティエル・レケーナのぶどう栽培にとってどんな意味がある?
このプロジェクトは、ボバルの古樹のぶどう畑が有するすべての価値を明らかにすることを目的としており、このブドウ栽培の遺産をすべて保存することで、ワイン生産者の未来にとって重要なツールとなるでしょう。
この高樹齢のぶどう畑は、歴史あるこの地に完全に適したアイデンティティの印なのです。
DOに所属するワイナリーにとっては?
DOウティエル・レケーナのワイナリーは、醸造家の努力によって、彼らのボバルワインですでにこの土地を表現できるようになりました。
すべての瓶詰めワイナリーは、国内外で認知されつつある、ボバルという品種で並外れたワインをつくっています。このプロジェクトでは、ウティエル・レケーナで先祖がボバル種を栽培してきたおかげで、他の産地との違いや生物多様性があることを理解し、これを維持し続けることを目指しています。
関連する研究開発プロジェクト
●EcoBobal:
DOウティエル・レケーナの地品種ボバルの畑のバイオタイプの農業生態学、および、ワイン醸造学的特性評価
●InnoBobal:
イノベーションサービスで、持続可能で、エコロジーなぶどう栽培を実証する栽培区画のパイロットネットワーク
●ZonaBobal:
DOウティエル・レケーナにおけるボバル種の特性評価と生態生理学的ゾーニング
●ExpoBobal:
新しい畑でのボバルのバイオタイプの回復