ファミリーの愛情とやる気がいっぱい詰まったワイン
「ラス・ドセス」はチョサス・カラスカル社を代表するDOウティエル・レケーナのワインのブランド名です。つい最近ボトルのデザインを一新しました。白、ロゼ、赤がありますが、赤はDOウティエル・レケーナの主要地場品種ボバル100%です。
この「ラス・ドセス」という名前には特別な意味があります。直訳すると「2つのC」。ボデガの名前のチョサスChozasのCとカラスカルCarrascalのCのことです。
カラスカルとは、かつてこの地にあったケルメスナラの森のことです。森は19世紀初頭に伐採され、あとにブドウも植えられていたのですが、オーナーは次々代わり、最後、ブドウは引き抜かれ、農地として使われていました。
1990年、この土地を入手したのが現オーナーのフリアン・ロペスとマリア・ホセ・ロペス・ペイドロ夫妻です。2人は2年にわたって土壌や環境を調査し、この地に最も合ったブドウ栽培をするべく計画を練り、1992年に品種ごとに最適な区画を選んで植えました。10年間ブドウ栽培に徹した後、醸造所の建設を始め、最初にワインを生産したのは2003年のことです。夫妻は、ワインはそのブドウが生まれ育った畑と気候条件を素直に映し出したものであるべきだと考えていました。この志を引き継いで、今ワイン造りを担当しているのが息子のフリアン・ロペス・ペイドロです。彼はブドウ栽培とその環境に造詣の深かった祖父と仲が良く、多くの影響を多く受けています。その祖父の愛称がチョサスでした。そんなファミリーの努力と成果を世に出すべくボデガの運営を仕切っているのは娘のマリア・ホセです。
チョサス・カラスカルのワインには、その名前が持つ意味のままに、ロペス・ペイドロ一家の愛情と意欲がいっぱい詰まっています。
チョサス・カラスカルのボデガはエントランスからして、デザインがとてもモダンでオシャレです。周囲にはブドウ畑が広がっています。ここは山に近く、標高は750~840mで、DOのなかでも高い方です。北と東西は丘陵に囲まれ、敷地は緩やかに下りながら南のレケーナ高原台地につながっています。年間降水量350~400㎜、日照時間3000時間以上というこの地域では、ブドウの実の成熟期に適度な北風が受けられ、標高が高いため寒暖の差が大きいということは大きな利点です。また地中海の湿気を運んでくる霧が南東部にある山脈によって遮られるだけでなく、降水量が同DO内でも少なめです。こういった条件のもと、ブドウの熟成は他の地域より半月ほど遅くなっています。
ブドウ畑ではハーブや野の花が、やってくる虫たちと共生しています。現在栽培されているのは11品種。黒はボバル、ガルナチャ・ティンタ、カベルネ・フラン、シラー、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、テンプラニーリョ、モナストレル、白はシャルドネ、ソービニョン・ブラン、マカベオです。主要品種であるボバルはいくつかの区画で栽培していますが、古くは1928年に植えられたものもあります。
2002年から除草剤の使用をやめ、2004年から羊を使った天然堆肥を取り入れ、有機栽培を行っています。また、2013年、醸造所は最新設備を導入して増築され、ワインのさらなる品質向上を目指して研究を怠りません。
「自然を学び続けることが我々の目標です。それが土地と時間のカケラをボトルに詰めることができる唯一の方法です。」
*チョサス・カラスカルのホームページより。