土着のぶどう品種であるボバルは、DOウティエル・レケーナのスター品種。この品種は、DO全体のぶどう栽培面積の70%を占めており、この地域の気候、テロワールに非常に適しています。
ボバルは、栽培面積だけでなく、ワインとしてのポテンシャルの観点からも、DOウティエル・レケーナにおいて非常に重要なぶどう品種で、ここ数年で、各ワイナリーにおけるボバルの栽培、醸造技術は大変進歩しました。その結果、DOウティエル・レケーナの個性を完璧に表現した、すばらしい官能性を持つワインが次々と登場しています。
ボバルからつくられるロゼワインは、力強い赤系果実のアロマが特徴で、色は魅力的なピンク色に、生き生きとした濃いすみれ色が表れます。口に含むと、非常にフレッシュで、バランスが取れた味わいが、口いっぱいに広がります。非常にアロマティックで、ウティエル・レケーナらしいワインとなります。
ボバルからつくられる赤ワインは、ストラクチャーがしっかりとした、ボリューミーなワインとなり、味わいはバランスよく、香りはとても個性的で、熟した果実、ほのかに皮、ドライフルーツ、リコリス、スパイスを思わせます。DOウティエル・レケーナらしさを持つ、個性的なワインとなります。ボバルは非常にとても濃く、長期熟成にとても適しています。ヤングワインは縁は非常に濃く、はっきりとした紫色をしています。熟成させると、熟したチェリーのような色になり、ゆっくりと茶色へと近づいていきます。
研究によると、ボバルはぶどうの中でも、心臓疾患によい物質で、抗がん作用があると言われる、レスベラトロールの含有量が多いことが分かっています。
ウティエル・レケーナの土着品種ボバル。ボバルは、ウティエル・レケーナのテロワールにとても適しており、標高が低く、海に近くない土地はボバルの栽培に適しておらず、ワインはウティエル・レケーナのワインとは全く違うものになってしまいます。
ウティエル・レケーナのワイナリーの多くは、ウティエル・レケーナの品質を表現するため、ボバル単一品種のワインをつくっています。
ウティエル・レケーナ原産地統制委員会では、ボバル単一品種のワインを区別するため、DOラベルに以下の記載を認めています:
l BOBAL ALTA EXPRESIÓN(ボバル・アルタ・エクスプレシオン)
ボバル単一品種からつくられるワインで、樽熟成あり、なしのタイプがあり、この品種がテロワールを最大限表現しているもの。ぶどう畑の樹齢は35年以上、収量は4,000kg/ha (29.60 hl/ha)以下、統制委員会の事前許可のない限り散水は不可。栽培は、ぶどう畑の生物学的バランスの保護を第一に、環境へ配慮して行う。すべての農作業は、フィールドノートの記載によって確認がとられます。
l BOBAL CON MENCIÓN ESPECÍFICA(ボバル・コン・メンシオン・エスペシフィカ)
ボバル単一品種からつくられた、ロゼ、赤のDOワイン。DOの定めるカテゴリーの必要条件を満たしている場合、クリアンサ、レセルバ、グラン・レセルバ、スペリオール、べンディミア・イニシアル、マドゥラード・エン・バリッカを名乗れます。